ニッケイ新聞 2008年3月1日付け
ミナス州百周年記念組織委員会は二月十五日に州都ベロ・オリゾンテ市の州工業連盟大講堂で、移民百周年・日伯交流年開始セレモニーを行い、約五百人が集まって盛大に祝った。この委員会には州政府、ベロ・オリゾンテ市、ミナス日伯文化協会、同州工業連盟(Fiemg)も参加している。
まず、リナルド・カンポス・ソアレス同委員会執行委員長(日本国名誉総領事)は「日本の技術と資金なくして、ミナス産業界は現在のようなブラジル経済の躍進の推進役をこなせるようにはならなかった」と強調した。
自らが社長を務めるウジミナス(製鉄会社)が日伯初の本格的ナショナル・プロジェクトであり、南米最大規模にまで成長したのは日本からの様々な支援だったからこそと振り返った。
続いて、百周年記念事業や記念イベントが発表された。パンプーリャ区にある動植物園内に五千平米の日本庭園を造成している。五百トンの石を運び込んで茶室も作り、六月までに完成させる予定だ。同時に、パンプーリャ・エコロジー公園にも五千平米の敷地を確保して、日伯アーチストの作品により「ミナスにおける日本の存在」を表現する。中心には、四百平米の移民記念館を構想中だ。
ミナス日伯文化協会(AMCNB)講堂の建設やイパチンガ日伯協会(ANBI)本部建設の方は工事も終盤にさしかかっている。
その他、日本映画や演劇など各種文化イベントも予定されており、十月には岡崎ミチコさん著『ミナスにおける日本の存在(移民と投資)』も刊行される。
日本側では四月二十四~二十五日に東京の文化村で演劇公演「いつアイデアは形になるか~日本とブラジルの今」が予定され、東京現代美術館で十月から十二月に二国のアーチストの作品展が行われるという。
同委員会広報によれば、同州には約一万人の日系人が在住し、主に工業や農業に従事している。一九二〇年代から州都近郊や三角ミナスで農業労働をし、五〇年代からはウジミナス関連の就労者が一気に増えた。
州内にはウジミナス以外にも、日伯セルロース(CENIBRA)などの合弁事業もあり、CBMM(日商岩井との合弁会社)、ブラジル大同化学、山九ブラジルなど多くの進出企業も拠点を置いている。
この四年間で、同州から日本への輸出は約八〇%も伸びた。〇七年に日本は、同州から世界で五番目に輸入を多くしている国になり、同州に対して九番目に輸出をしている国になった。経済の絆は百周年を機に、確実に強まっているようだ。
当日は、島内憲大使や福川正浩在リオ総領事らも出席した。電話取材に対し、三浦治二ミナス文協評議副委員長(現評議委員長)は「今まで長い時間かけて百周年の準備をしてきた。りっぱに開始式ができてよかった」と喜んだ。