ニッケイ新聞 2008年3月4日付け
あかりをつけましょぼんぼりに――。幼稚園児のかわいい歌声が、イタチアイア幼稚園内(マリア・カロリーナ・アモリン・ラヴィエリ園長)に響き渡った。
三月三日はひな祭り。日本では、女の子のすこやかな成長を祈る年中行事として行われている。三日午前九時半ごろから同園内でもお祝いのお祭りが行われた。
同園では十二年ほど前からひな祭りを祝っている。朝、子どもたちが集まった時に簡単な言い伝えなどを説明した。日本語で説明した後、ブラジル人にも分かるようにポルトガル語でも説明が行われた。
その後、ひな祭りでよく歌われる「うれしいひなまつり」を全員で踊りながら歌った。子どもたちは、出されたおこしを美味しそうにほおばっていた。
今回のお祭りのために、おばあちゃんがくれた真っ赤な浴衣と下駄を履いて来た宮崎真優ちゃん(5つ、三世)は「初めてだったので面白かった」と浴衣を見せながら笑顔で話した。
以前は、同園に通っている父兄から借りたひな壇や絵を飾ったりしていた。しかし、最近は輸送の問題などでなかなかブラジルに持ってくる人が少なくなってきていることもあり、今回は総領事館から借りた七段飾りと、父兄から借りた絵を飾っていた。
一九八〇年に創立した同園は、〇歳から六歳までの子ども約百二十人(内三十六人が駐在員子弟)が通っている。名前のイタチアイアはリオの町の名前からつけられた。
日本人の子供とブラジル人の子供が一緒の場所に通う同園。基本的には別々のクラスだが、中には混ざって勉強している子どもたちもいるという。七夕や端午の節句、桃の節句などの日本文化を紹介する一方で、カーニバルやパスコア、クリスマスなどブラジル文化も紹介するなど、年間を通して日伯文化交流に取組んでいる。