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東西南北

ニッケイ新聞 2008年3月5日付け

 感情をコントロールしきれずに急に暴力をふるったりし始める時、日本で「切れる」と言ったりする。サンパウロ市東部で二日夜、恋人とけんかし、八歳と五歳の娘を釣り糸で殺そうとした二十五歳の母親も切れた一人。八歳の娘が逃げ出して助けを求め、警察がやってきて母親を取り押さえたが、妹の首には暴行の痕。警察に連行される途中も逃げ出そうとしたり、自分の首をしめようとしたりしたというが、親になっても親であることが出来ない親が増えた。
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 サンパウロ市カンガイバに住む兄弟。コリンチアンスのファン一家だが、コリンチアンスが負けた二日の試合の後、酔った兄が十歳年下の弟にからみ、洗濯場でけんかとなった。けんかの勢いで、鍬を手にした弟が兄の頭や背中を殴りつけ、兄は大怪我。家族が病院に連れて行った時には息が絶えていた。兄は酔うと暴力をふるうことがあったといい、父親は、弟の正当防衛だったとみている。
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 エスピリト・サント州で、銀行の前で現金輸送車を襲った強盗が小銃を連射。現金輸送車には十一発の弾の跡。銀行の扉も破壊され、警備員を制圧した強盗は現金入りの袋を持って逃げたという。強盗が連射した小銃の弾一発は現金をおろし終えたばかりの婦人(72)の腹部にも命中。被弾した婦人は病院に運ばれたが、死亡した。
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 ブラジルの黄熱病は、死者一九人とかなり下火になっているが、パラグアイに続き、アルゼンチンでも黄熱病患者の発生が報告された。ブラジルやパラグアイに近い国境地帯では一三匹の猿が黄熱病で死亡しており、今回確認された患者もこの地域の労働者。幸い、回復し退院というが、もう一人感染の可能性ありという。