ニッケイ新聞 2008年3月6日付け
【カンピーナス】日本のテノール歌手田中公道さんを迎え、カンピーナスのカルロス・ゴーメス声楽家協会支部会館で、二月二十九日午後八時からオペラ・コンサートが開催された。日本移民百周年記念の催しで、ブラジル人歌手も出演、二百八十席に収まりきれない聴衆が鑑賞して、盛況だった。
メインのプログラムは。プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」だった。
開演に先立ち、協会支部長の開会あいさつがあり、続いてカンピーナス日伯文化協会(花田忠義会長)の坂野恵美子日本語学校教師(校長)の「椰子の実」、田中さんの「荒城の月」そして「さくらさくら」の大合唱があった。
小曲十曲ほどをはさんで「ラ・ボエーム」が披露された。出演は、田中さんのほか、マリリア・テイシェイラ、マリーナ・ガベッタ、ネルソン・N・ヂマルジオ、ジョゼ・L・アグエド、ロドリーゴ・テオドロさんら。聴衆のおよそ八〇%は非日系人。カンピーナスのオペラのファン層が厚いことが実証された。
日系人の聴衆は花田文協会長夫妻はじめ坂野さんゆかりの人たち。二時間あまり、時間を忘れてオペラを堪能した。
三月二日午後二時から、文協会館で、田中さんによる歌唱講習会が開かれ、非日系を含め三十人ほどが受講した。田中さんの熱心な指導に受講者たちはしきりにうなづいていた。