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盛況の結城座サンパウロ公演=日本の伝統に惜しみない拍手

ニッケイ新聞 2008年3月6日付け

 去る二月十四日から二十八日までの間、サントス、リオ、ブラジリア、サンパウロの四都市で九回の公演を行った、江戸糸あやつり人形「結城座」(国際交流基金サンパウロ日本文化センター主催)。二月二十七日午後九時から、サンパウロ市内のSESCコンソラソンで公演が行われ、二百人近くの人が訪れた。
 作品「綱館」の公演時間は約三十分で、迫力あるスペクタル作品。一方、「新版歌祭文 野崎村の団」は約一時間で、悪役はいないが、愛するが故に生まれた悲劇だった。
 開演と同時に、団員の一人が結城座の歴史と人形の大きさ、糸の数や種類、あやつりかたなどを説明。来場者のほとんどが非日系人だったために、舞台にはポルトガル語の字幕がつけられた。人形のきめ細かい仕草に驚いたり、笑ったり、楽しんだり姿があちこちで見られた。
 公演が終了すると、「素晴らしかった」「楽しかった」と喜びの声が聞かれ、来場者は総立ちになって惜しみない拍手を送った。
 ソロカバから訪れたエリアネ・リベイロ・デ・オリベイラさん(23)は、二十六日に行われたワークショップにも参加した。ソロカバ大学であやつり人形の勉強をしているため見に来たという。
 「本などで知っていたが、見るのは初めて。話し方が違ったり三味線を使ったりなど、日本とブラジル文化の違いを感じたし、すごく勉強になった」と嬉しそうな表情で話した。