ニッケイ新聞 2008年3月7日付け
中央銀行の通貨委員会(Copom)は五日、基本金利(Selic)を一一・二五%に据え置くことを満場一致で決めたと六日付けエスタード紙が報じた。据え置きは、これで四カ月連続となった。
しかし、市場には微妙な変化があり中銀は近日、基本金利を引き上げ金融引締めに入るものと市場関係者は見ている。中銀は十三日、Copom議事録の発表と基本金利据え置きの背景を説明する。
関係者の予想では、インフレ・リスクについてきびしい警告を行うと見ている。先物市場におけるDI(銀行間預金)は、すでに金利上昇の兆候が明白である。四月のSelicは、一一・五%予想だ。
短期におけるインフレは、市場に水を差す否定的なもの。コモディテイ価格はメタル、エネルギー、農産物どれも、強気で失望ものである。途上国は相変わらず需要が強く、市場価格も上昇傾向にある。
この途上国の需要増は、インフレを引き起こし途上国のクビを締める。国内需要と経済成長でブラジルの実力を上回っているのが、中銀の心配の種である。これは長期にインフレを招き、高金利政策を採らざるを得なくなる。
中銀が注視するのは需要の度合いである。金利を引き上げる必要があるのか。もしも実力を上回る需要ならば、金利の引き上げは必要である。次に見るべきことは、国内産業の生産設備拡大である。順調に需要が伸びるなら四月から、金利は当然引き上げられる。
中銀は二〇〇八年末までに、一・五%金利を引き上げると見られる。また三%引き上げるという見方もある。コロンビアのように徐々に引き上げるのは逆効果というのだ。金利を引き上げるなら、急速に上げて効果を挙げることだ。一一・二五%は、高金利国の看板をブラジルに掲げたのだ。実質金利は、六・七三%である。