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スペイン入国管理局=またブラジル人20人に退去命令=政府が報復を検討=駐伯西大使はEU指示と説明=EUの外国人締め出しか

ニッケイ新聞 2008年3月8日付け

 スペイン政府は六日、ブラジル政府が報復措置を示唆したにも関わらず、マドリード空港でブラジル人旅行者二十人を入国直前に身柄を拘束し国外退去を命じたと七日付けエスタード紙が報じた。外務省は七日、スペイン政府はブラジル人を不当に扱ったうえ、国外退去を命じたことを遺憾とする公式文書を発表。ペイドロー駐伯スペイン大使は事情説明のために外務省へ出頭を命じられ、EUによる外国人入国制限の命令に従っただけで人種偏見ではないと釈明した。
 ブラジル外務省は、ブラジル人旅行者がスペインで辱めを受けたうえ国外退去を命じられたことで、ブラジルも相当の措置としてスペイン人旅行者を陵辱したうえ国外追放に処する考えだと公文書で通告した。
 ブラジルとスペイン両国は高度の友好関係を保っているのに、再々にわたりブラジル人旅行者多数を小部屋に長時間監禁し、水も食料も与えず虐待したことは納得できないと伝えた。アモリン外相は既に、駐伯スペイン大使にスペインにおけるブラジル人虐待を訴えたが、一顧だにされていないことを追及した。
 ドミニカ訪問中の外相は、ブラジル人二十人の国外退去命令の報告を受けた。この二年でスペインからのブラジル人国外退去命令は、二十倍に上った。二〇〇六年では、毎月二十人が追放。二〇〇七年は毎月、二百六十一人。合計で三千百三十七人が追放された。それが今年一月は三百人、二月は四百人だ。
 ブラジルは二〇〇四年、対米報復措置として米国人旅行者に限り男女とも大衆の面前で不快な嫌がらせを行った。高度の外交関係にある両国が同様措置を講じる可能性をスペイン大使に示唆した。国外退去命令は、スペインの入国管理法ではなくEU移民法に従ったまでという。
 スペインはEUへ移管しEU基本法に従い全て変わったことを、ブラジル政府は国民に説明する必要があると同大使が述べた。変わったのは旅行手続きばかりでなく、政治経済の手法も変わる。EUは来年、一合衆国政府として動き出すというのだ。