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無試験運転免許を摘発=1万9千人に出頭命令=教習所が免許システム操作=実地と学習合格証売ります

ニッケイ新聞 2008年3月11日付け

 サンパウロ州交通局(Detran)は八日、サントス市を含む大サンパウロ市圏で運転免許証の取得や更新手続きに行政介入を行い、一万九千件の不正と運転教習所二百校を同関与で摘発した。捜査は二〇〇六年から二〇〇七年の間に、免許または更新した一千七百万人の中から不正が発覚し、免許証を差し止めとした。該当者はDetranから通知を受け次第、サンパウロ州監察局へ出頭し合法化手続きを行う。教習所では免許係官十人のうち四人が、運転免許証と運転合格証、交通法規習得証を販売するという。
 運転免許証が欲しければハンドルを握る必要もないし、無試験合格の交渉をする必要もない。金を出せば必要なものを売ってくれる。運転教習所は、免許システムを操作するソフトウエアを開発し密かに所持している。教習所は免許秘密ディジトを盗み出しコード化し、免許システムへ運転の実地訓練済みとして特定時間に送り込む。
 このシステムは五年前、心理学者と医師、運転教習所の協力により開発した。その一年半後、システムには実地試験や精神鑑定試験、試験中のカメラ実写も挿入された。その運転免許システムを操作できるということは、国税庁やデータ・バンクのサイトも操作できることを意味する。
 教習所の学習と実地には、出席簿に拇印を押す。その拇印は、シリコンと石膏で模造品を作ることも監察局が確かめた。Detranはシステムを改良し、下半期には全ての試験で顔写真を入れさせる。システムに教習所のソフト侵入防止の方法も探索中。
 官公庁の手続きデジタル化による落とし穴を、Detranもようやく気づいたようだ。免許証取得や更新で求められる医師の精神鑑定診断書は、笑い話のタネになっている。
 そんなものが、通用するお役所仕事そのものが問題といえそうだ。めくらでも金を持っていれば、運転免許証が取れる。お役所が新しいシステムを立ち上げても、侵入ソフトを開発することでは業者の方が一枚上手のようだ。
 電話で取れる運転免許証の価格は、一千二百五十レアルらしい。