ニッケイ新聞 2008年3月11日付け
沖縄県人会(与儀昭雄会長)会館で二日午後一時から、八月の県人移住百周年祭典への資金集めを目的とした「特別資金造成芸能祭」(知念直義実行委員長)が開かれた。十三団体が共催、出演者は四百人にも達した。沖縄では毎年三月四日を「さん(三)しん(四)の日」として琉球芸能団体が合同で芸能祭を開催している。
ブラジルでの同イベントは、三年前に初めて開催。今年は古典音楽、民謡、舞踊、筝曲、エイサー太鼓など九団体と、県人会、沖縄文化センター、協和婦人会、うりずん(留学生OB会)をあわせた十三団体が共催した。
先亡者への黙祷に続いて知念実行委員長は、「百周年祭典は、先駆者達が血と汗と涙で築き上げた歴史に対する感謝と尊敬をいつまでも忘れないためのもの」と話し、「楽しいひと時を過ごしてほしい」とあいさつ。
与儀県人会長は、各団体の協力への感謝とともに、「八月の祭典に皆さんが元気で参加できることを心から願っています」と出席者に呼びかけた。
「かぎやで風節」「ごえん節」など三線、筝曲の合同演奏で開幕。午後八時にカチャーシでフィナーレを迎えるまで、サンパウロ市内外から集まった約四百人の出演者が十三のプログラムに分かれて多彩な舞台を披露した。
会場ではまた、笠戸丸移民の宮城伊八氏が持参した百年以上前の三線が紹介され、息子の清信さん、孫の与那嶺ルーベンスさんが伊八氏のブラジルでの歩みを振り返る場面もあった。
当日は終日七百人以上が訪れる盛況ぶり。与儀会長は、「こうして皆が集まって百周年を盛り上げていくことが大事」と嬉しそうな表情を見せていた。
県人会では今年、百周年への資金作りに力を注ぐため、例年のイベントを取りやめて四つの資金造成行事を計画している。今回の芸能祭はその一つで、プログラムを作成する時点で六百三十四の個人・団体・企業から寄付・広告が寄せられた。
当日の寄付、協和婦人会の協力による沖縄そばの売上げなどをあわせ、全体の収益は約八万レアル。うち純益の約七万五千レアルが県人移住百周年に寄付される。この日はさらに、協和婦人会、嘉手納郷友会などブラジル側、ハワイ、沖縄の関係者など各地からの寄付も百周年委員会に渡された。