ニッケイ新聞 2008年3月12日付け
長野県の農業家、横森正樹さん(68)がこのほど、JATAK(全国拓植農業共同組合連合会)が実施している専門家派遣事業で来伯した。二十四日まで滞在し各地で講演する。
横森さんは長年高原野菜作りに携わり、「㈱がんこ村」を主宰、取締役をつとめる。現在は国際農業者交流協会による環境保全型野菜生産パイロット事業主任技術指導員として、一年の半分はフィリピンのベングリッド州で活動している。
「農業の原点は土づくり」と話す横森さん。土地の劣化による連作障害を避けるには、農薬・化学肥料を使用しながらも、土壌中の微生物のバランスを保つことが重要と強調する。
今回の講演では、木酢液、炭を使った土壌改良の方法から、作物の生産・販売、環境保全まで、自身の経験をふまえ幅広くテーマに取り上げる。
十一日にはアチバイアで講演した。十二日にはモジ市イタペチ「花の杜」で、講演とあわせ近郊農家地域活性化会議(午前九時半から。朝・昼食込み参加費十二レアル)も開かれる。
JATAK農業技術普及交流センター(グアタパラ)の長井邦夫研修部長は「横森さんの話を聞いてやり方を変えれば、日系農家は良くなる。できるだけ多くの農業者に来てほしい」と来場を呼びかけている。
講演は参加無料。会場ではポルトガル語による説明もつく。問い合わせは同センター(16・3973・1006)または各会場まで。
講演日程は次の通り。【十二日】午後一時二十分=イタペチ花の杜、【十四日】午後二時=レジストロ文協、【十五日】午後二時=ピラール・ド・スール文協、【十七日】午後二時および七時=ラーモス文協(クリチバーノス)、【二十日】午後二時=宮城県人会、【二十二日】午後四時=JATAK農業技術普及交流センター。