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東西南北

ニッケイ新聞 2008年3月13日付け

 十日夜、サンパウロ市西部の現金輸送会社が約二〇人の強盗に襲われた。隣接したペンションの住民を立退かせた後、ペンションの屋上に上り、会社の壁に爆弾を仕掛けた強盗。ところが、会社の壁には鋼鉄の板が埋め込まれており、爆発はペンションの壁や天井を壊したものも、会社との壁を破壊するには至らなかった。爆発音を聞いて、会社の警備員が駆けつけて撃ち合いとなり、結局何も盗らずに逃げるほかなし。気の毒なのはペンションの住民で、脅かされるわ、家は壊れるわ、「死なずに住んだのは運が良かっただけ」と。
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 サンパウロ州サンセバスチャン市と言えば、対岸のイーリャベーラへのフェリーの船着場があるが、サンパウロ州は、この船着場に程近い海域を埋め立て、港を拡張したいと考えている。日本でも干潟の埋め立てなど、環境問題などでおきな議論を呼んできたが、サンセバスチャンも同様。生態系が壊れると反対する人たちもおり、十分な検討がされることを望みたい。ダムや埋め立て、疎水工事など、環境問題に関わる計画は、やり直しがきかないだけに目先のことだけにとらわれない選択が必要だ。
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 大統領が、企業が新規採用するに当たり、六カ月以上の研修期間を持つことを禁ずる法律認可。ボーナスや勤続年保障限保障基金、週四四時間労働といった労働者の権利を保証するための法の一部改正で、研修の名で労働者を縛り、企業責任を逃れることは出来なくなった。
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 七日に起きたサンパウロ市東部のアパートの爆発事故では、重体だった一人が死亡。被害者の一人で腕を失う可能性もあった婦人は、十日にやっと退院。事故の数日前からガスの臭いがしていたという。