ニッケイ新聞 2008年3月18日付け
輸出関連の専門家が十五日、ブラジルは二〇〇八年、第一次産品コモディティ輸出で前年比三三・三%増の一千億ドル計上と予測し、輸出が堅調であることを明かした。ブラジルの特産品が高値を続ける一方、豊作に在庫薄でバイオ燃料は爆発的に需要が伸び、レアル高と輸入激増をよそに貿易収支は好調という。
農業部門は、特に大豆が代表選手。国際相場は昨年同期比で八二%も高騰した。金属部門では、鉄鉱石が昨年比六五%増と高値を呼んでいる。コモディティは、七年連続の上伸である。これは中国やインドなどの新興国が、世界経済をけん引したからだ。
農産物輸出は、昨年の五百八億ドルに対し、今年は七百五十億ドル輸出見込み。鉄鉱石は昨年同期比七〇%増の二百四十五億ドルの輸出見込み。貿易黒字は農産物が、六百二十二億ドル。鉄鉱石が百十七億ドル。これだけで、七百四十億ドルの黒字である。
貿易黒字を全体で見るなら、黒字は三百億ドルとなる見込み。ブラジルの貿易は、コモディティ輸出にかかっており農業大国の面目が判然としてきた。
これからは農業が、ブラジルの貿易を養っていくことになりそうだ。米不況に関わらず国際需要は、衰えを見せない。大型投資とバイオ燃料の爆発的需要は、見るものがある。コモディティの高騰は、ここ数カ月予想もしなかった。
農産物におけるブラジルの地位は最早、世界が認めるところだ。米不況の影響を受けることなく、コモディティが高騰を続けるのも幸運。食糧在庫は、第二次大戦後の最低水準という。大戦当時は農業人口が七〇%あったのに、いまは三〇%なのも問題だ。