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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年3月19日付け

 老人クラブ連合会(老ク連)に、先に百周年記念協会から、記念式典で繰り広げられる踊りやコーラスへの参加依頼があったそうだ。老ク連は(会員たちの)高齢の身を考えて、団体としての参加を辞退した▼参加辞退の理由には追加されていないが、老ク連は、百周年祝典に関して「期待していたのと実際は大きく違うので無念の思い」でいる。それは、一番苦労して地盤を築いたはずの一世を、記念協会が忘れているかのように見えるからだ▼老ク連会員の一世たちは、数年前百周年の話が出始めたころ、自分たちの最後のお祭りだから、思い切って寄付もはずんで、盛大に祝うことになるだろうと思っていた。皇族が来伯されたら、七十周年のころのように、式典会場は興奮のルツボと化し、会場のどこからでも、皇族方の一挙手一投足が親しく見られるだろうと期待していた。さきに決まった会場では、お姿を見ることさえ出来ないかもしれない、と今では消沈している▼会員たちはさらに、記念協会の広報を詳しく知る機会が少ないので、祝典会場への入場数が制限され、一般は余り入れないのではないか、といった不確実な話に憂えている。広報の不足は、疑心暗鬼を生むのだ▼以上のようなことが、老ク連の会報『ブラジル老壮の友』(三月号)に大きくエスパッソを取って書かれている。記念協会は、コロニアの基盤を築くのに六十年も七十年も営々つとめてきた高齢先達たちが無念の思いでいることをしっかりと知るべきではないか。(神)