コモディテイが一斉下落=ついにブラジルへ波及=アジアの需要に一縷の望み=国内市場が支える今後の経済
ニッケイ新聞 2008年3月21日付け
ニューヨーク金融市場で十八日起きたパニックは翌十九日、世界同時安を引き起こし、ブラジルが頼みとするコモディテイ市場にも波及した。投機筋は一斉に先物契約を解約し、米国債へ切り替えた。その結果、原油や鉄鉱石、大豆、トウモロコシ、コーヒー、金などが下落、まだ続落する見通しだ。原料市場の雄とされるペトロブラスやヴァーレが控えるサンパウロ市証券取引所は株価指数を五・〇一%下げ、音をたてて落盤した。
FRB(連邦準備制度理事会)による必死の努力やブッシュ政権の緊急経済対策も空しく、死に体の米資本市場は反応しなかったとミゲル・ジョルジェ産業開発相がコメントした。
最も下落の衝撃が大きかったのは、コモディテイ取引が集中するサンパウロ市証券取引所のようだ。鉱石採取のヴァーレは優先株が七・二一%、普通株が六・八六%下落した。ペトロブラスは七・四〇%と五・八四%とそれぞれ下落。原油は、一〇九ドルから一〇四・四八ドルへ下げた。
コモディテイが下落したのは、インフレを懸念するFRBが政策金利引き下げの発表とともに、経済成長よりもインフレ抑制を優先すると表明したからだといわれる。これは、コモディテイの消費と需要を押えたことを意味する。
またカーライルなどの投資会社二社が、ブラジルでの証券販売を引き留めたことも、コモディテイ下落につながった。現在のパニック下では米国債が、国際的なポルト・セグーロ(安全な港)と見られている。
コモディテイは十九日、ボディ・ブローのように情け容赦なく叩かれた。昨年六月から始まった米金融パニックは、これまで予防注射で治療してきた。世界経済は引き続き、原料を必要とするため世界的不況はないと思っていた。十九日の金融市場は、過去一年の見方をひっくり返した。
ここ数カ月コモディテイ市場は取引量が日に日に増え、バブルではないかと一部の者は疑問を呈した。分析した結果行き場のない資金が、中国やインドの原料需要をあてにして先物取引をしたことが分かった。
他に特記すべきことは、ドル通貨の下落でドル建て取引をするコモディテイは、割高になること。残る望みは、アジアからの救いである。過去三年間の経済成長率八%から一〇%が輸出の落ち込みで持続できなくても、国内需要で辛うじて世界経済を支えることを祈っている。