ニッケイ新聞 2008年3月21日付け
ブラジル三重県人会は十六日午前、サンパウロ市内の県人会会館で定期総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、徳力啓三さん(66・サンパウロ市在住)の会長就任を満場一致で決めた。母親が同県出身の野村アウレリオ・サンパウロ市議の家族をはじめ、会員ら約七十人が参加した。
徳力さんは同県松坂市出身で、三重大学農学部を卒業。一九六六年にブラジル移住した。有機農法でつくられたコーヒーの輸出などをする「LA CANTARE」社を経営する。ブラジル倫理の会理事。
提出されたシャッパは単一、すんなりと新人事が承認された。徳力さんは日本語、ポ語で交互にあいさつし、「三世、四世の世代につながる県人会にしていきたい」と述べた。過去百人近くに上っている元県費留学生らを会員に引き入れる考えだ。
また、新会長は就任前は県人会の評議員補。「一年に一度くらいしか県人会に足を運んでいなかった身。一気に会長に推されて驚いている」と話した。
三重県人会は今年、創立六十五周年を迎える。記念式典を八月二十一日、県人会館で開催する。県知事はじめ、民間人ら約三十人が慶祝団として来伯する予定。式典はサンパウロ州と三重県の友好都市提携三十五周年記念を兼ねて行われる。
二世会長が続いていた同県人会の役員らは、母県とのやりとりを一世の徳力さんに任せたい考え。徳力さんはすでに同式典準備委員会の委員長に就任した。
〇八年事業予算は収入が二十七万五百八十一レアルの見込み。駐車場収入で四万五千レアル、サロン賃貸料の十四万四千レアルが大半を占めている。県助成金は四千レアル。
総会後、野村市議の音頭で乾杯、会員らは日本食を囲んで親睦を深めていた。
《以下新役員》
会長=徳力啓三、第一副=前田ネルソン、第二副=大谷パウロ、第一書記=久世忍、第二書記=奥村茂、会計=横山アルヴァーロ、浜口洋。会長を二期四年つとめた石橋通之進さんは名誉会長に就任した。