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デング対策に軍出動=リオ各地で野戦病院が活躍

ニッケイ新聞 2008年3月25日付け

 デング熱(熱帯シマカが媒介)感染患者への応急対策でジョビン国防相は二十一日、リオデジャネイロ市に三軍による野戦病院の即時設置を発表した。先ず出動したのは空軍と海軍、キャンペーン病院を各地に設けトーレス提督が現地指揮を採っている。
 リオ州のコルテス保健長官は、病床確保で提督と折衝を行った。一般病院は満席のため一般市民を野戦病院に収容するためだが、こちらも軍属の罹患者が多数を占めているらしい。
 国防相は責任者の名を明かさなかったが、デング熱の蔓延は前から分かっていながら事前対策を怠り、蚊が出回ってから対策に追われ、今度は病床手配で振り回され、全てが後手であることを訴えた。
 今は病床の取り合いで議論をしている時ではなく、伝染性と非伝染性の発病者を区別することが、先決だとした。そうしないと物の言い方で、無用な混乱を引き起こす。発病者は検診番号で整理し、整理番号で応対するように指示をした。リオ州を襲ったデング熱の犠牲者は二十一日現在、四十八人となった。
 野戦病院は、移動式で即時撤退も設置も可能である。各野戦病院は病床が三十床、検診は一日当り三百人となっている。野戦病院は、ジャカレパグアとサントクリストの二カ所を感染度と感染の可能性が高い地域と見て力を入れた。機動性は高く評価されたが、連邦公務員が多数居住する基金病院や州公務員病院には手が回らなかった。