ホーム | 日系社会ニュース | パラナ州=伯字紙に極秘事項が漏洩?=皇太子殿下ご訪問日程=「どこからもれたんだ?」

パラナ州=伯字紙に極秘事項が漏洩?=皇太子殿下ご訪問日程=「どこからもれたんだ?」

ニッケイ新聞 2008年3月26日付け

 極秘扱いのはずの皇太子殿下パラナご訪問の日程が、二十日頃から同州の複数のポ語ニュースサイトに掲載され、関係者をあわてさせている。
 最初に関連記事が掲載されたのは、州最大手紙ジョルナル・ド・エスタード(本社クリチーバ市)のサイト「Bem Parana」の二十日付け。
 「殿下は百周年を祝うために六月二十二日午前十一時にロンドリーナ空港にご到着なされ、トミ中川広場のイナウグラソンにすばやく立ち寄られる。日本からの慶祝団一行三百人らと共に、ルーラ大統領やレキオン州知事などの要人や地元日系団体ら三百人による歓迎昼食会に参加され、その後、午後二時からローランジアの移民センターで行われる記念式典にご出席される」などの詳細な予定が、あたかも決まったかのような印象を与える未来形のポ語で書かれている。
 記事中、唯一のコメントはリーガ・アリアンサの丹フランシスコ会長で、いかにも〃情報源〃という雰囲気を醸し出している。
 二十四日午後、本人に電話で確認してみると「そんな記者は知らない。私じゃありません」と困惑した様子で応答し、「一体どういうことなのか調べてみます」という。
 リーガ・アリアンサの前田パウロ事務局長に記事の内容を説明すると、「確かにそういうプランを立てています」と内容に関してはほぼ検討案そのままであることを認めたが、「まだ決まってない内容ですね」と公表する段階ではないとの認識を示した。
 さらに西森ルイス州議(リーガ・アリアンサ前会長)にも確認すると、「いったいどこから漏れたんでしょうか」と驚いた様子。「あくまで日系社会側の案であり、まだイタマラチー(伯外務省)や大統領府、日本国外務省、宮内庁などの承認を待っている段階。まったく決定したものではありません」。
 一方、クリチーバ総領事館の佐藤宗一総領事も、ニッケイ新聞の電話取材に対し、「(公表するのは)勇み足です」と諫める。「まだまだ検討段階であり、公式にはローランジアご訪問すら決定ではありません」と釘を刺す。
 インターネット上で検索してみると、この記事を元にしたのか、デボラ・ランキレビッチ記者によるほぼ同じ内容の記事が二十三日付け「ジョルナーレ・クリチーバ」というポ語ニュースサイト、さらに二十四日にはロンドリーナのニュースサイト「Bonde news」にも並び、同州各地の地方紙サイトがこぞって扱っているようだ。
 皇太子殿下のご来伯がブラジル社会からも強い関心を持たれている証拠とはいえ、保安上の問題もあり、通常、公式日程は間近になるまで明らかにされない。
 いったいどこから漏れたのか謎は深まるばかりだ。