ニッケイ新聞 2008年3月26日付け
ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の三月定例昼食会と「第五十八回定期総会」が十四日正午から、サンパウロ市区内のマクスードプラザホテルで行われた。
〇七年度収支は収入一三八万九二六七・七三レアル、支出一三四万八七七八・六四レ。〇八年度予算は収入一四九万七九三六・五九レで、事業報告とともに承認。総会を終了した。
その後の昼食会では、サンパウロ市観光公社のカイオ・ルイス・デ・カルヴァーリョ総裁が「世界とブラジルにおける観光産業の現状」と「ブラジル日本移民百周年について」と題して講演。カイオ総裁は、日本移民の節目の年に日系社会に大きく関わっていることに触れ、「大変光栄である」と喜びを表した。
ニューヨークの9・11同時多発テロ以降、観光業は一時落ち込んだが、現在は回復。総裁によれば、観光客がサンパウロ市で一日当たり消費する金額は約六百レ。サンパウロ市を訪れる日本人観光客は、一日あたり約二百ドルを消費するという。
〇六年にブラジルを訪れた日本人観光客は約七万六千六百人で、主な訪問先は、フォス・ド・イグアスやマナウス、サンパウロ市など。日本の観光客数は世界七位ながら、ブラジルを訪れるのはそのうち〇・二パーセントに過ぎない。
このほか、今年十月には日本語のサンパウロ市観光案内ホームページの設置を計画している。サンパウロ市内の観光案内などが日本語で行われる予定だという。
総裁は最後に、「移民百周年は、移民の人たちだけのものでなく、日伯の関係を祝うもの」と位置付け、講演を終了した。
この日はミナス州都ベロ・オリゾンテ市のフェルナンド・ダマタ・ピメンテル市長も講演。同市の状況、実施中のプロジェクト、市内の交通渋滞緩和策などを紹介した。
特にファベーラ対策に対しては、多くの低所得者を州政府が建てた建物に移動させ、ファベーラが少なくなっていると実績を紹介した。同政策はルーラ大統領ほか、海外からも多くの人が視察に訪れているという。