ニッケイ新聞 2008年3月27日付け
昨年四月頃にNHKスペシャルで放送された弓場農場(弓場常雄代表)。前回の放送が好評だったことを受け、今年六月にハイビジョン特集で放送される予定になった。前回、撮影を行った株式会社ドキュメンタリージャパンが、昨年七月から日本と同農場を行き来し、撮影を行っている。同社の久保田直ディレクターは「見る人の目線で見て欲しい」と希望を口にした。同番組では、ブラジルでも日本と同時刻で放送が予定されている。
弓場農場は、NHK総合のNHKスペシャル「にっぽん 家族の肖像・第二集 大家族の夢」で、取り上げられた。前回の放送が大人気だったことを受け、NHKハイビジョン特集で再度取り上げられることが決定した。
去る二十日、久保田ディレクターは、豊田ジャニー・コーディネーターと一緒にニッケイ新聞社を訪れ、説明を行った。同番組の内容は、農場の大家族を中心に揺れ動く時代の中で、生活している人たちの気持ちや状態を捉え、彼らの方向を見つめるものになっている。「人間の営みとは」「生きるとは」「家族とは」などといったテーマが中心になっている。
今回の取材は昨年七月から数えて四度目で、二月十日に来伯し、四月十五日まで滞在する。その後、日本で取材を行い、編集し、放送する。日本の取材では、弓場農場を出て、デカセギに行っている人たちを中心に撮影する予定。
久保田ディレクターは、「現在、弓場農場は転換期を迎えている。今回は、若者たちの姿、残された親の状況などを撮った」を説明し、「前回は『日本から移民した大家族の現状』として紹介したから、今回は弓場の良さ、人間の温かみ、今の日本にないものを紹介できれば」と意気込む。
「老若男女に見てもらいたい。家族の話、人間の基本的なもの、その人の目線で見て欲しい」と期待を込めた。
放送は、日本時間の六月一、二日に九十分のドキュメンタリー二本、合計百八十分の放送を予定している。また、ブラジルでも日本時刻と同時で放送が予定されている。
◎
ハイビジョン特集は、ハイビジョンならではの高画質、高音質の特徴を生かした様々な番組を放送している。その種類としては観光地や世界遺産、自然、歴史等をテーマにしたドキュメンタリーから、あるモノにこだわった特集、注目の人物にスポットを当てて密着取材したものなど多岐にわたっている。また、〇七年一月から毎月ある一つのキーワードをテーマにした番組を製作して放送を行っている。