ニッケイ新聞 2008年3月29日付け
財務相がインフレ率は目標内にあり心配ないと発表した同日、中央銀行が目標四・三%を超える可能性があるとして四・六%に上方修正を行い、基本金利の引き上げを示唆した。基本金利の引き上げは、米国を除く世界の傾向だという。
中銀が二十七日、発表した報告書によれば金融市場はインフレ目標を四・七%としている。二〇〇八年の経済成長率も、四・五%から四・八%へ引き上げた。ルーラ大統領が懸念しているように消費は、供給を上回っている。
投資環境としては、申し分ない。固定資本金も増えた。消費への対応では十分といえないが、企業が熟しつつある。資本財分野で設備の稼働率は、八八・八%の高率に達した。
インフレ圧力の火元は、ローンの増大にあると思われている。恒久財の販売に、ローンは欠かせない。しかし、恒久財のインフレは、九・八%に過ぎない。インフレを煽ったのは、非恒久財の二六・五%である。火元は、消費者の所得増加にあるらしい。
国内市場が過熱したのは、昨年九月まで通貨政策を緩めたことが手伝っている。その間、政府経費も膨らみインフレを助長したと中銀は見ている。しかし、国際経済の落ち込みと輸出の減少、コモディティの下落が、インフレ抑制に働く可能性も中銀は視野に入れている。