ニッケイ新聞 2008年3月29日付け
ブラジル日本都道府県人会連合会(松尾治会長)の第四十二回定期総会が、二十七日午後四時からブラジル佐賀県人会館でおこなわれた。
松尾会長が「福岡県人会の会長を辞める」と宣言してから二カ月余り。二月中旬に元県連会長の中沢宏一氏(宮城県人会長)が役員選に立候補宣言して以来、次期執行部の行方は注目を浴びつづけた。
前回の執行部改選では史上初めて二つのシャッパによる選挙を実施。今回もシャッパ提出期限の十七日までは複数シャッパの選挙戦が予想されていたが、中沢氏がシャッパをまとめきれず、与儀昭雄沖縄県人会長を会長候補とするシャッパのみが提出された。
締め切り後は、一部の会員から「総会の終わっていない会長がシャッパに入っているのは無効」と反発の声も上がったが、執行部側は問題ない、との見解を示し、総会当日を迎えた。
松尾会長は挨拶の場で、「曲がりなりにも、自分なりに一生懸命やってきた」と任期を振り返りながら話した。
議長は小松雹玄氏(秋田)が務めた。〇七年度事業報告では未開催の行事について「執行部の怠慢」とし、開催しなかった理由を説明。〇七年の収入は一二七万四四五〇・一二レアル、支出は一二五万四〇九二・五六レだった。
これは昨年の第十回フェスティバル・ド・ジャポンの会計とあわせたもので、フェスティバルを除く一般会計は、収入約九万五〇〇〇レに対し、支出一六万二〇〇〇レ。第九回フェスティバルのサンパウロ市交通局(CET)への支払い三万六〇〇〇レを引いても約三万レの赤字となっている。こうした「赤字体質」の改善も課題となりそうだ。
席上、昨年度フェスティバルの会計に関して、バザリスタ担当の未納金問題など未解決の点があるとして、承認先送りを求める意見もあったが、執行部では昨年十一月に監査の承認を得ているとの認識を示し、最終的に承認された。
続いて、〇八年度の事業計画案、予算案が提出され、それぞれ承認された。四月は定款改正委員会の発足、五月は県連四十周年誌の出版記念パーティー、七月は日本祭開催、十一月は百周年記念フェイラ(小規模な日本祭)などが行われる予定。
今年の選挙管理委員長は、前回選挙でも委員長を務めた小森広氏(鹿児島)。前回は複数シャッパのため投票が行われたが、今回は単一シャッパのため、小森氏が拍手による採決を提案。投票を強く主張した会員もいたが、挙手による多数決の結果、拍手での採決に決定。与儀氏を会長候補とするシャッパが承認された。
初めての二世会長、沖縄県人会長としても初めて県連会長に就任した与儀新会長は「執行部、県人会長の皆さんと共に県連を盛上げて、頑張っていきたい」とあいさつ、協力を呼びかけた。
総会後の懇親会には後藤猛領事、森口イナシオ援協会長、山下譲二文協副会長らも訪れ、出席者は食事を囲んで歓談した。
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総会では前年度監査補の柿嶋昭三(新潟)、村田洋(神奈川)両氏が正監査になったほか、新たに正監査として小松雹玄氏(秋田)、監査補に原島義弘(千葉)、豊田瑠美(愛知)、尾西貞夫(兵庫)各氏が選出された。