笹田道子氏

ニッケイ新聞 2008年3月29日付け

 桐塑人形(とうそにんぎょう)作家の笹田道子さんが二十六日午後二時ごろ、脳内出血のためサンパウロ病院で死去した。享年八十五歳。
 今月十八日午後、サンパウロ市内で車にはねられ、同病院に入院、治療を続けていた。
 一九二二年にサンパウロで生まれた笹田さんは、十九歳まで日本で暮らし、帰伯。戦後、五八年に再び日本を訪れ、四年間、人形作家の小松康城氏の下で桐の木粉を使った桐塑人形の制作技術を学んだ。
 帰伯後、六八年には日系工芸作家を中心とした工芸作家協会(文協工芸委員会の前身)に創立会員として参画。以後、現在まで制作活動に携わった。バイアーナをモデルにした人形など、ブラジルを題材に取り上げた作品も制作した。百周年を記念してブラジル彫刻美術館(MuBE)で開催中の日系アート展にも出品している。
 葬儀は二十八日午前、サンパウロ市のビラ・マリアーナ墓地で行なわれた。初七日ミサの日時は未定。