ニッケイ新聞 2008年4月1日付け
一万三〇〇〇レアルから一万八〇〇〇レアルへと三八・四六%の給与調整を求めて始まった税関職員のストは、十八日~昨日で十四日となり、様々なところで影響が出始めている。
二十九日の伯字紙によると、サントス港だけでも、滞っているコンテナは約三万個。ここだけで一日三〇〇万ドルの損失が出ている。また、パラナ州のパラナグア港でも、五五〇〇万ドル相当の輸入物資と、一三〇〇万ドル相当の輸出物資が滞留しているという。
もちろん、ストは港だけではなく、空港や南米諸国との国境地帯の税関十四カ所も含んでおり、国内各地で、原材料や商品などの不足や、トラックや貨物の管理、保管料などで余分な経費がかかるなど、経済活動や日常生活に影響が出てきている。
運輸業者らは、国境には七五〇〇台のトラックが列をなしているといい、車両の保守作業や積荷の管理費などの経費は一日二五〇万ドル。パラナ州のフォス・ド・イグアスでは三〇〇〇台、南リオ・グランデ州のウルグアイアナでは三五〇〇台、ウルグアイとの国境地帯では五〇〇台、南マット・グロッソ州のコルンバーでは四〇〇台といった具合だが、多くのトラックは積荷の保険をかけておらず、盗難などが起きれば損害はさらに大きくなる。
国税庁側は、現在のところ大きな影響は出ていないというが、運輸業界では、いくつかの部門に深刻な問題がでてきているという。
運輸業界によれば、輸出業者の損害は二十八日までで既に二〇〇〇万レアルを超えており、アマゾナス州マナウスの免税地帯では、港と空港で止められた輸入物資が一四〇〇万ドル相当で、部品などが不足し始めたために生産停止となる工場も出てきそうだという。これがさらに長引けば、店頭での商品不足が目立ち始め、生産停止となる工業部門もさらに増える。
現時点では、国境の税関での通関作業は五~六日、港の荷物が船に積み込まれるまでには二週間かかっており、食料品や爆発などの危険のある品物の通関が優先されているという。また、国税庁は、輸出入の滞りを避けるために他の部門の職員を港湾部門に配備したというが、二十八日のマナウス港では十四人の職員のうち六人、同空港でも六人の職員のうち二人だけが業務についていたという。
アルゼンチンの農業部門ストにより既にあった国境地帯のトラックの列は、ブラジルの税関職員ストでさらに伸びてしまったわけだが、スト二十日になるアルゼンチンでは、肉屋の店頭には何もないなど、生活への影響が深刻化している。
ちなみに、国税庁職員の給与調整要求は昨年一度受け入れられたが、金融暫定税(CPMF)廃止で交渉が中断された。