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官房長官が矢面に=ほとぼりの冷めるまで謹慎

ニッケイ新聞 2008年4月1日付け

 官房室が政治的挑発の舞台となったことで政府は三十日、コーポレート・カード(以下Cカード)CPI(議会調査委員会)のほとぼりが冷めるまで、ロウセフ官房長官を大統領選の舞台から下すことを検討始めた。ルーラ大統領による後継者内示が度を越し、野党を刺激したと大統領府も反省しているらしい。
 前大統領のプライバシー侵害は、野党を激怒させたばかりでなくPT(労働者党)内からも非難された。「PAC(経済活性化計画)産みの親」としてお膳立てに励んできたが、これからはイメージ維持が本命になりそうだ。
 官房長官は、党会議や地方支部会議への出席を遠慮させ、PACに専心させる。大統領府は官房長官を、PT戦略会議からも退かせる。またマスコミに情報漏洩を図った責任者を処罰するが、官房長官の首ではなく目下、他の首探しをしているらしい。
 政府は、CカードCPIでメガトン級の爆弾が、撃ち込まれることを覚悟している。政府は急遽、防御体制を築く必要がある。モタモタしていると、官房室へギロチンを持ち込まれることになる。
 Cカード発行は大統領の機密費として認められたものだが、いつしか閣僚や側近などによって乱用された。野党が現政権によるCカードの乱用を追求したところ、官房室が前政権の機密を開示し、マスコミがそれをすっぱ抜いた。
 政府は機密の開示ではなく、参考までに前政権の例をデータバンクで引用した通常作業で、詳細文書(ドシエー)なるものは存在しないと抗弁した。官房長官は専ら火消しに奔走し、大統領候補は棚に納めることにしたようだ。
 国会という所は正攻法ばかりでなく、野党の奇襲や連立党の造反もある。連立与党内の不満分子は火に油を注ぎ、後釜を狙って虎視眈々としている。風の吹き回しで溺れる犬を叩かれる。戦況が悪ければ、味方も敵に豹変する。
 官房長官は三十日、クリチーバで前大統領の機密侵害関与を否定し、大統領候補ではないし考えたこともないと声明を発表した。データバンクの資料は詳細文書(ドシエー)ではなく、野党の告発は政治的いい掛かりだと糾弾した。