ニッケイ新聞 2008年4月1日付け
ラポーザ・セーラ・ド・ソール先住民保護区で商業や農業を営む先住民以外の市民に連邦警察は再々、強制撤去を命じた。しかし、最近また違法居住者が急速に増えた。先住民は連警が強制撤去に失敗するなら、先住民が実力行使で追い払うと宣言した。
違法居住者ではあるが、百七十万ヘクタールの広大な土地に大資本をつぎ込んで米作を営む生産者である。生産者はならず者を雇い、周囲に鉄条網を張り地雷まで埋めて連警に抵抗する姿勢を見せている。
同保護区はブラジルとベネズエラにまたがり、先住民マクシ族やその他の少数民族二万人が生活している。小売商や小作農らは、立ち退きの支度をした。
先住民以外の居住者は二〇〇五年、大統領令により立ち退き補償を供与された。生産者は農地につぎ込んだ資金の損害賠償を裁判所に提訴したが、敗訴に終わった。今度は国連や米州機構(OAS)も先住民に応援している。