ニッケイ新聞 2008年4月3日付け
サンパウロ日伯援護協会の定期総会が、先月三十日午前、文協ビル新館展示場で行われ、九十二人の委任状を含めて役員や援協地区委員など、百八十七人が出席した。前年度の事業報告のなかで注目されるのは、各老人施設の入居者の自立不能が増えていること。全体的にいえば、現状がピークではなく、諸経費増を含めて、これから対処していかなければならない問題が山積していく事態が予想される。
あいさつで、森口会長は「(会長に就任してから)一年を迎えた。福祉センター建設にあたっては、理事会でもいろんな意見をまとめ承認を得ることができた。今年一年も心一つにして皆様の協力を頂きたい。もう一息がんばりましょう」と力強く述べた。
来賓には、後藤猛在聖領事、岡本ルイス・こどものその理事長、新県連会長の与儀昭雄氏、山下譲二文協副会長、吉岡黎明救済会会長、老ク連の五十嵐司副会長、元援協会長の原沢和夫氏、酒井清一氏らが出席。総会後の昼食会で、松尾治百周年協会執行委員長が乾杯の音頭を取り、歓談した。
以下、援協各施設の動き。(〇七年度事業報告)
サントス厚生ホーム=入居者の平均年齢が高くなり、五年以上の長期が増加。同時に要介護者や経費も増えている。
カンポスさくらホーム=利用率が六八%で、入居者募集を続けている。八十歳以上が七〇%以上。
スザノ・イッペランジャホーム=九〇%以上の高い利用率を維持。程度の差はあるが認知症の人が多い。
あけぼのホーム=〇七年はじめて入居者が五十人を突破し、増加傾向にある。自立歩行できる入居者は一一%に留まり、大半が歩行器、車椅子利用者。
やすらぎホーム=日系唯一の精神障害者リハビリセンター。〇七年は二十一人の入所に対し、三十人が退所。リハビリ実績を向上させている。
奄美事業所=地元児童の健全育成と高齢者デイサービス活動を実施。六歳から十五歳までの子ども八十四人を無料で受け入れている。
援協総合診療所=各専門科別キャンペーン、インフルエンザ予防接種、児童無料検診に力を入れた。
巡回診療=五つの州八十八地区で四千百三十一人を診察。七十歳以上の基本検査を無料で実施、継続。
日伯友好病院=〇七年、MRI(磁器共鳴診断装置)機器の更新、心臓科診療所の増築改築を実施。今年は収益から福祉センター建設費用に、二百万レアルを支援する。