ニッケイ新聞 2008年4月8日付け
連邦警察のコレイア長官は六日、官房室が入手した前大統領の機密費に関する詳細文書(ドシエー)をマスコミに漏洩した人物を洗い出す意向を明らかにした。同長官とジェンロ法相は七日、ドシエーにまつわる政治的意図は探索しないが、マスコミへの漏洩と官房室のコンピューター(PC)へ侵入したのは誰かを調べるという。連警の介入によってロウセフ官房長官の同件に関する潔白を、政府は証明するつもりらしい。
連警が同件へ介入するに至ったのは、四日のフォーリャ紙に掲載された写真が複写であるものの官房室のPCを使ったことが確認されたためという。政争のために政府機関のPCを使うのは、連邦令で禁じられた違法行為である。
紙上公開された写真が官房室から出たことで、連警が乗り出すのも異常といえそうだ。官房長官は犯人が官房室で、同室のPCからコピーを取りフォーリャ紙へ提供したと訴えた。あたかも官房室が、ドシエーの火元であるかのように細工をしたという。
前政権のドシエー作成に使われたのは、官房室のノートブック五台であってデスク・トップではない。ドシエーは、前政権における一時期の経費が意図的に計上されている。作成されたのは、二月十一日でコーポレート・カードCPI(議会調査委員会)が設置される以前であった。
官房室のノートブックは、職員各自に暗証番号が渡され、それがなければ操作できないようになっている。他人の暗証番号を探し出すシステムを知っている者の仕業だと見られる。ドシエーはネットに入力されたのか、メモリーに保存されたのかは不明。官房室のネット管理会社ITIは十一日、報告するという。
官房長官の談話によれば、官房室はドシエーなどに関わったことはないし、誰かが密かに官房室へ侵入し、ドシエーを作成したと見ている。コピーを取ったのは官房室のコピー器であるし、コピーを取ったのも官房室のバッジを付けた政府職員と見ている。
官房室ネットをしらみ潰しに調べれば、事実が証明される。大統領府に忍び込んだ野党シンパの徹底的洗い出しが行われる。しかし、ドシエーは、PT(労働者党)が野党であった時代にも使われたことがある。官房長官は謀略の犠牲者だというが。