ニッケイ新聞 2008年4月8日付け
ブラジル彫刻美術館(エウロパ通り218、ジャルジン・エウロパ)は、十日から五月一日まで、火曜~日曜日午前十時~午後七時、故鈴木幸男さんの絵画回顧個展「鈴木幸男の旅の世界」(A Viagem de Yukio Suzuki)を開催する。イナウグラソンは九日午後七時から。
鈴木さんは一九六二年の渡伯。元三軌会(さんきかい)会員、陶芸家鈴木章子さんの夫。着伯後、コチア市にアトリエを持ち、意欲的に創作活動、サンパウロ国際ビエンナーレに三回出品したほか、数多くの受賞歴がある。八九年、パーキンソン氏病発病以来、闘病生活を送り、二〇〇四年死去した。
個展歴は、渡伯前東京で一度、ブラジルにおいては、六七年サンパウロ市のアシエイ画廊で行なって以来、リオ、レシフェ、カンピーナス、ブラジリア、プ・プルデンテなどで二十回。いちばん最近は二〇〇七年クラブ・トランス・アトランチコでの回顧展だ。
章子夫人は、四日「鈴木のそれぞれの年代の作品には、思想表現、技法の面で、その後の若い人たちに影響を与えた先駆的なものが少なくない。今度の展示作品でそうしたことを読み取っていただけると思う。多くの人に鑑賞していただきたい」と案内した。