ニッケイ新聞 2008年4月9日付け
ジェンロ法相は七日、連邦警察による前大統領の詳細文書(ドシエー)に関する捜査を官房室からの漏洩のみに絞るよう要請した。野党が固執した、誰が機密データを集めドシエーの作成に関わったかは、不問となった。「機密データをどのように細工をしようと、官房室にあるかぎり犯罪ではない。外へ漏らしたことが犯罪だ」とコレイア連警長官が述べた。野党は、政府が官房長官を守るために事実を歪曲したと非難した。
官房室の謀略活動が表ざたになって二週間、政府は連警と共同作戦で情報漏洩の解明だけで事態を収拾し、官房室の謀略戦は闇の彼方へ葬ろうとしている。これで官房室に影の政権が存在したことを、国民が知るところとなった。
野党は、官房長官の指示で連警が捏造捜査に加担することになったと見ている。「政府は、下手人と犯行現場の目撃者を知っている。それをいかに隠すかで狼狽している。国民が知りたいのは、誰が情報漏洩したかではなく、誰がライバルを陥れる罠を作らせるため謀略活動を指揮したかである」と皮肉った。
官房室は円滑な政治活動を推進する機関と、国民は思っていた。それが邪魔者を粛清する手段も用意し、警察国家の真似ごとをしていた。国民は漏洩の解明だけでは満足しない。ブラジルの政治がどのように行われているのか、事実を知りたいと野党はいう。
連警長官の発言は、法相発言の口合わせではないか。官房室で誰かを葬る謀略会議を開いた。会議の趣旨が連警の耳に入ったとして、介入するか否かは政府の判断によるなら、連警は政府の犬ではないか。
連警は犯罪だけ取り調べると、法相はいう。政治的不都合を調べるのは、CPI(議会調査委員会)だと述べた。連警は、政治警察ではない。連警がドシエーに介入したのは、官房室であってはならないことが発生したからだ。
DEM(民主党)のマイア党首は、パロッシ前財務相が管理人の銀行口座を違法開示して重職を追われたように、官房長官も連警を使って事実隠蔽を図ったため辞任せよと要求した。情報漏洩をドシエー作成より重要視する感覚は、政府機関が政争の道具に使われた証拠だと訴えた。