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FPM償還金横領が発覚=市長他51人を拘束=仮処分の売買でR$2億横領=連載判事、市長、弁護士の組織

ニッケイ新聞 2008年4月11日付け

 連邦警察は九日、ミナス・ジェライス州やバイア州、首都で市長や連裁判事、弁護士など五十一人を都市共済基金(FPM)の償還金二億レアルを横領した容疑で身柄を拘束と十日付けエスタード紙が報じた。政府は、市へのFPMから六%を毎月控除し、INSSの債務決済に充当する。市は連邦裁判所へ九%を控除されたと偽証し、連裁は過当控除三%分を返還するよう通告した。
 身柄を拘束された五十一人の中には、連裁判事一人と市長十六人、弁護士九人、連裁職員、市の法定代理人、銀行支店長などがいた。同一味は、都市共済金(FPM)の横領に絡む犯罪組織だ。
 犯罪の発端は、ミナス州の一市が入札を経ずに弁護士事務所へ仲介業務を依頼したこと。弁護士兼ロビストは、市が毎月INSSへ払うFPM控除金を償還してもらう手配をした。
 それには、連裁が市に有利な仮処分を下すため判事への謝礼が必要である。連裁では職員が提訴書類の審理順序に細工をして、くだんの判事から仮処分が下るように手配した。賄賂を貰った判事は、かねての打ち合わせに従った。
 同種不正が最も多いのは、ミナス州ジュイス・デ・フォーラで、その他、チモーテオ、ルビン、ミナス・ノーヴァ、カショエイラ・ダ・プラッタ、ラファイエッテ、ジビノポリス、エルヴァリア、サウト・ダ・ジヴィーザ、タピーラ、ヴェスパジアーノなどである。
 FPMとは、所得税(IR)と物品税(IPI)の二三・五%を連邦令により都市共済基金(FPM)へ政府が転換するもの。FPMは、各都市へ人口に比例して上限と下限の間で配布する。INSSに債務のある都市は、その決済のために六%を控除される。
 このシナリオでは、弁護士が仕切り役で、連邦カイシャのベロ支店長が考案者らしい。支店長の人脈で構築した犯罪組織だ。不正取得した償還金の山分けは、弁護士が行う。市長は、リベートとして懐にカネを入れていた。国会議員の関与は、まだないようだ。
 先ず、入札を経ずに、市から業務依頼を受ける。FPMの控除償還請願書を作成し、連裁へ提出する。この手続きは、二人の連裁判事の手を煩わす。仮処分を下す連裁では、職員に裁判所規定に違反して細工をさせる。こうして控除分償還通告の仮処分が出る。