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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年4月11日付け

 サンファン連合婦人会(ボリビア、サンタ・クルス県)の活動の一端を最近知った。ブラジルの日系社会の婦人会活動や女性気質と比べてみると面白い▼一つは、同地の婦人有志から、日本人の日常生活のしきたりを教えてほしい、と要請があったのに対し、高齢層を講師役に充てようという話。ボリビアの婦人たちといっても様々だろうが、興味の持ちようからみて、おそらくは中流層であろう。日本語しか話せない高齢者でも通訳がつけば、説明はできるし、巧まぬ「日本文化」紹介になるものと思われる。高齢者たちに出番を設けたといったあたりが微笑ましい▼もう一つは、フリーマーケットを開いて、その売上げ(収益ではない)をサンファン診療所のデイサービスに使ってもらおうという試み。同マーケットは定期的に開いているらしい。家庭で不用になった品物を供出して売りにかける。売上げは、出した人には戻らない。額の多寡はともかく、一〇〇%公のために使おうというのである▼ブラジルにおいては代償を求めない(バザーなどへの)出品は少ない。労賃、材料費もあるだろうから、それは理解できる。それでも、開催団体は利益の定額部分をちゃんと寄付をしている。これは美風だ▼一方で、かなり豊かな暮らしをしているのに、旅行などで衣料品や小物を購入してきて、友人知人に売る人もいる。不用になったものでも、うまく売れれば「ガニェイ」である。趣味と実益をかねた生活の知恵なのかもしれない。(神)