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サンパウロ市の地下鉄5号線延長=サントアマロに2駅増設=147戸が立退きの対象に

ニッケイ新聞 2008年4月12日付け

 空港やダムなどの大きな工事の度に起きる立退き問題。サンパウロ市の地下鉄工事でも、「地下鉄は欲しいが、自分たちが迷惑を被るのはイヤ」という人がいるなど、事情は複雑で、アドウフォ・ピニェイロ駅の建設予定地域での人々の心の揺れを、九日、十一日のエスタード紙が追っている。
 アドウフォ・ピニェイロ駅は、サンパウロ市南部を走る地下鉄五号線の七つ目の駅で、九日のエスタード紙によれば、二〇一〇年までに同駅とカンポ・ベロ駅の二駅が開業予定。また同一〇年には、同線で他の三駅建設開始とともに、六号線の工事も始まる予定でもある。
 アドウフォ・ピニェイロ駅に関しては、十一日のエスタード紙が、地下鉄公社が十日に、立退き対象の一四七戸(二〇店舗の入ったギャラリーと銀行ビル、車の販売店ほか小さな商店)をサイトで発表したと報道。四万平方メートルの区画内に含まれた商店主たちが不満をぶつけたりする一方、区画外となった商店主がほっとしているという。
 駅建設で接収されるのはアドウフォ・ピニェイロ大通りをはさんだ二ブロックで、サンベネジト、イザベウ・シュミッツ、Dr.アントニオ・ベント、パードレ・ジョゼ・デ・アンシエッタの各通りに囲まれた部分。ただし、ブロック内でも、サンタカーザなど、一部の建物は残される。
 また、トンネル工事用の竪穴を掘るため、アドウフォ・ピニェイロ大通り沿いの小さな区画二つも立退き対象となる。
 立退き対象となった家屋や商店は、立退き料を受取って移転することになるが、従業員を解雇し、店を閉じることを余儀なくされる人たちもおり、途方にくれる人、覚悟はしていたが、即座の立退き要請を受けるとは思っていなかったとする人、家主は立退き料をもらうかもしれないが、借家人への保証はあるのかと不安に思う人など、反応は様々。対象から外れた人たちのほっとした表情とは本当に対照的だ。
 提示された査定額が不満な場合は裁判に持ち込めるが、査定額を受け入れようが受け入れまいが立退きは必至という状況は、今後の新線開設や延長の度に起きること。将来の計画や夢が覆される人々の痛みを、為政者や利用者たちはどれほど理解できるのだろうか。
 なお、ドル安による融資の目減り分を埋めるため、世界銀行が八日に四号線への九五〇〇万ドルの追加融資を承認。十一日には、サンパウロ市が五号線二駅分の建設費用として二億レアルの支出を公報。市や州、一般企業参加分とで、前記五駅分の第一期工事には一九億レアル、二〇一四年からの第二期工事には三一億レアルの予算が計上されている。

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