ニッケイ新聞 2008年4月12日付け
ジョビン国防相は十日、現行の徴兵制度変更を検討中であると述べた。兵役年齢に達した青年が徴兵義務を免れる代わりに、有給の社会奉仕を義務づけるらしい。国防システム変更の一環として、徴兵検査の方法も大きく変わる。
国防相は、ブラジル人が兵役は義務ではないと思っているので、二等兵も有給制にする考えだ。一般に金持ちの子息は、軍隊に召集されないという印象を持っているのを壊す。
ブラジルのように所得格差の大きい国は、徴兵制度を格差是正に利用すべきというのが、ウンジェル戦略相の持論である。徴兵検査には、これまでの身体検査に加え、知能検査や資産状態その他を加味する。徴兵検査で、青年を教練と社会奉仕に組み分けする。
低学歴の青年は軍隊で訓練し、警備要員に起用して失業対策とする。経済的に恵まれない青年は、軍隊で専門教育を受ける機会にする。社会的コネのない青年は、軍人の人脈で社会進出を果たすというもの。