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ブラジリア総合大総長辞=学生たちの圧力が牙城崩す=今日にも臨時総長選任へ

ニッケイ新聞 2008年4月15日付け

 正副総長の辞任などを求めるブラジリア総合大学(UnB)学生たちの抗議行動は、ムリョランド総長ならびマミヤ副総長の辞任により、新しい山場を迎えることとなった。
 三日から始まった学生たちによる本部棟占拠は社会的にも注目を集めたが、UnBでは十日に出された総長の休職通達では満足しない学生たちによる占拠が継続され、伯字紙が連日、その動向を伝えている。
 総長の休職後、総長代行を務めたのは副総長のマミヤ氏。しかし、学生たちの要求は正副総長ならびに執行部の退陣でもあったため、圧力はさらに加わり、十一日には学生たちによる授業放棄も行われた。
 このような動きの中、十二日に、副総長が文部相に会見を申し入れ、文部省に総長同行で出向。副総長はこの会見で辞意を表明したが、総長は無言。しかし、十三日に文部相と大学関係者や学生代表らによる話合いの場に総長からの電話が入り、辞意が伝えられた。
 この総長からの辞意表明により執行部退陣が決まったことで、文部相は本日十八時までに、大学教授、職員、学生ならびに大学審議会代表らが協議して総長候補を指名するよう要求。期限までに候補者が絞りきれなかった場合は、文部相自らが指名することになる。
 今回の学生たちによる本部棟占拠については九日付け本紙でも一部既報だが、検察庁調査では、UnB総長のアパートへの高級家具の購入や車の購入のために、UnB関連法人の学術研究・調査費から、四十七万レアルと七万二千レアルを使用したことが明らかになっている。
 UnBは、連邦大学の中でも公費払出し用のコーポレートカードの使用額が最も大きく、昨年は百三十五万レアルを使用。その他の連邦大学でも公費の不正使用は起きているが、公金使用の実態についての監査機能が働いていないなどの問題も指摘されている。このため、文部相は、公費の使途の決定や監査について、現状よりも厳しい基準を定め、十四日に署名した。
 一方、大学再建の第一歩は臨時総長の選出だが、文部相は十三日、前総長派に属さず、時期総長選挙に出馬する意思を持つ人物を選出するよう要求した。
 学生側はさらに、総長選挙に当り、教授が七十%、職員と学生が十五%ずつの重みを持つとされる現行定款を、三者が同等の重みを持つものに変更することを要求。十四日午後の時点では、この要求が受け入れられるまで占拠を継続する意向を表明している。
 なお、総長としての通常業務と次期総長選準備が任務となる臨時総長任期は十六日から九十日で、さらに九十日の延長もありうる。