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「天皇陛下通り」計画ついに着工=移民の日までに1期工事完了=550万レアルかけ東洋風景観に=「皇太子殿下のお立ち寄りを」

ニッケイ新聞 2008年4月16日付け

 「お釈迦様が生まれた今日この日は、セントロ再生の記念日ともなった」。サンパウロ市のジルベルト・カサビ市長は十二日にサンパウロ市リベルダーデ広場で行われた花祭り法要の中で、同区景観整備計画「カミーニョ・ド・インペラドール」(以下、天皇陛下通り)の着工を、そう宣言した。開始される第一期工事はリベルダーデ広場のみだが、六月十八日までに完成を見込んでおり、リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)の池崎博文会長は「ぜひ皇太子殿下に立ち寄って頂き、この町を祝福してほしい」と語った。
 「ようやく着工できました」。市が力を入れて進め、いろいろな話題を呼んでいる「シダーデ・リンパ(きれいな町)」事業の責任者レジナ・モンテイロさんは声を弾ませる。「今回がシダーデ・リンパ初の景観整備事業です。これが成功すれば、次々に広げていけるはず」と意気込む。
 カサビ市長はあいさつの中で「最初の資金提供者となったブラデスコ銀行に心から感謝したい」と語り、同行の松本ミルトン執行役員と固く握手を交わした。
 ニッケイ新聞の取材に対し、松本執行役員は「当行は日系社会とつよい絆がある。このような重要なプロジェクトの一番目に貢献できて嬉しい」とのべた。
 この「天皇陛下通り」計画は、建築家のマルシオ・ルピオン氏によって構想され、市のシダーデ・リンパ事業と連動した、総工費五千五百万レアルという大型景観整備事業。
 リベルダーデ広場からガルボン・ブエノ街、エスツダンテス街、アメリコ・デ・カンボス街、トマス・ゴンザガ街などの東洋街の中心エリアを、十七世紀の日本風(江戸時代)を中心にしながら、場所によっては中国風、韓国風も織り交ぜて景観を整備し、統一感のあるデザインに変える計画。
 第一期工事から十期まであり、各五百五十万レアルかかる。今回の第一期ではリベルダーデ広場の路上を同心円状の模様のタイルに張り替え、和風建築の警察官派出所を建て、ブラデスコ支店の外観を大阪城風に改装する。
 「じゃあ、三時に大阪城の前で待ち合わせね」――などという会話が普通に聞かれる日も近いようだ。