ニッケイ新聞 2008年4月17日付け
なぜこれだけリベルダーデに投資が行われているのに、日本人住民や日系店舗は減るばかりなのか? 五百五十万レアルを投じて景観整備工事の着工が宣言された花祭りの当日、ある参加者からそう尋ねられ、困った▼東洋街の目抜き通りに新店舗や新装再開店する店舗が次々にでてきている割に、日系店舗は減る一方で、残った店舗もサンジョアキン街の方へ〃都落ち〃しているようにも見える▼かつて目抜き通りに店舗をかまえていた移民の大半は子供を有名大学にやり〃立派な職業〃に就かせ、稼業を継がせなかった。子息がアクリマソン区やサウーデ区にアパートを買い、歳をとるとそちらに引き取られていくパターンが多かった▼もし、東洋街に土地建物を買って現在まで所有していたら、不動産だけでも大した価値になっていただろう▼百周年を記念したテレビ番組や新聞記事では、改めて「ジャポネースならリベルダーデ」というイメージを強調しており、一般社会はますますその認識が強めている▼お隣のボン・レチーロ区では戦前に移住したユダヤ人が建物を所有し、ここ三十年ぐらいで進出してきた韓国移民にそれを貸している。韓国系のファッション業界はすごい勢いで成長し、共に儲けている▼本当は、デカセギ帰伯者などが最新の日本のセンスでもって、デカセギ資金で新店舗を初めてくれれば一番よかったのだろう。いや、今からでも遅くない▼ガルボン街で韓国アイス「メローナ」の緑色の袋が無数に地面に落ちているのを見ながら、再活性化すべきは東洋街の外見(景観)ではなく、中身の方かもしれないと思った。(深)