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2大勢力の軋轢超え、団結=パラナ=ロンドリーナとマリンガ=百周年博覧会=土壇場で一本化へ

ニッケイ新聞 2008年4月19日付け

 パラナ二大博覧会が一本化へ――。マリンガ市で開催を予定していた全パラナ合同の百周年記念イベント「日伯技術文化博覧会」が、ロンドリーナ市独自で準備を進めていた商・工・農博覧会「EXPO移民百ロンドリーナ2008」と合同開催されることに決まった。合同博覧会の開催地は、受け入れ母体となるロンドリーナ市。六月の同じ時期に、同種の博覧会を近郊二大都市で同時開催することに、各方面から疑問視する声があがっていた。それを受け、本番を目前にして、各団体が軋轢と思惑を超え、百周年成功のために一致団結すべく決定をくだした。
 「このままでは、日本側に分裂している印象を与えかねない。今こそ一つにまとまるべきだ」―。
 パラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ)主体で構成するパラナ日本移民百周年実行委員会の西森ルイス委員長(州議)の呼びかけで、両イベントの主催者は急きょ八日に州都クリチーバ市で集まり、このような意見を交わした。
 会議には、同連合会幹部の西森氏や上野アントニオ氏(パラナ商工会議所会頭)をはじめ、クリチーバ日伯文化援護協会の山脇ジョルジ会長、ロンドリーナ展覧会側の同市百周年記念祭委員会の吉井篤大会委員長夫妻ら数人、マリンガからはシルヴィオ・バーロス市長はじめ同市文協関係者や同博覧会実行担当者ら、十三人が出席した。
 複数の出席者によると、この会議は同州記念事業を見守るクリチーバ総領事館からの、別々に開催する意義に関する問い合わせを受けて行うことになった。それぞれが現在までの進行状況、両イベントの合同開催の可否について活発に意見を交換した。
 マリンガのバーロス市長は、ロンドリーナの展覧会が周到に準備を進められている点を称え、「パラナの百周年を成功させるためにはイベントを一つにすべき」と提案。一部から執拗に反対する意見もでたが、大半は支持に回ったことから合同開催が決定された。
 苦渋の決断の裏には、マリンガ側への負担の大きさがあった。出席した安永修道マリンガ百周年実行委員会委員長によると、同文協は七月に全伯歌謡大会、八月には恒例の大型イベント「日本文化週間」の開催を予定しており、「忙しすぎて博覧会の準備まで手がまわらない状況」という。
 加えて同市では、海外最大規模といわれる日本庭園の建設プロジェクトを記念事業として進行中。五月には恒例の農畜産展の開催もあり、「イベントが多すぎて関係者の負担が大きい」「客が分かれて失敗する恐れがある」という危惧する声もあったという。
 合同博覧会が開催される会場は、ロンドリーナ側が以前から予定していた同市郊外のメイ・ブラガ展示会場。期間は六月十八日から二十二日まで五日間。
 「ブラジル社会における日系の融合と発展」をテーマに農工商部門の品評会を開催し、各種農産品や日本の伝統工芸品の紹介ほか、太鼓やカラオケ、YOSAKOIソーラン、盆踊り、アニメなど、ブラジル文化に〃融合〃された日本文化を紹介する。中でもトヨタなどの協力を得るロボットショーは祭典の目玉と期待される。
 もともとマリンガの博覧会へ出展する予定だった日系団体や日本進出企業、兵庫県と加古川市や西宮市などの姉妹都市からのブースは、ロンドリーナの方へ出展を切り替えるように通知をし、理解を求めている。
 ロンドリーナ側(吉井委員長の)関係者は、「マリンガ側団体への出展スペースをすでに用意している」と話している。
 本番二カ月前に迫った土壇場で、事態は急展開し、合同開催にきまった。直前まで各地の思惑が入り乱れていたが、ここに来て本来の団結が見られるようになってきたようだ。