ニッケイ新聞 2008年4月26日付け
ルーラ政権のナンバー2ともいわれるジウマ・ロウゼフ官房長官が、ブラジル政府を代表して二十四日に東京で行われた百周年記念式典に出席した。その時の挨拶で、「今後は、鉄道、宇宙開発、原子力における技術移転のような新しい分野でも両国の関係を発展させる必要があります」と表明し、日本に協力を期待する将来像を明らかにした。
FHC前大統領に関する機密文書問題で揺れる時期だけに、ブラジルメディアは積極的に報道し、中でも総工費約九十億ドルの高速鉄道構想(サンパウロ市・リオ間)に関して、日本側が高い興味を表明したことに焦点が当てられた。
EFE通信によれば、百周年式典と同じ二十四日に三菱、三井、東芝、川崎の四社グループとの会合が持たれ、強い関心が表明されたと同官房長官が明らかにしている。
この件に関し、JBIC(国際協力銀行)からの融資の可能性についても説明されたという。同官房長官は二十五日に東京―京都間(五百十四キロ)の新幹線を実際に体験し、古都を視察した。
オ・ポーボ紙によれば、同官房長官は東京入りする前に韓国のソウルに立ち寄り、やはり高速鉄道に関する話合いを行っている。
グローボニュースは同官房長官が二十四日に明らかにした内容として、原子力発電に関しても日立、三菱などと対話を持ったことを報じた。二十六日に帰伯の途に付く予定。
年頭からほぼ毎月、ブラジル要人が訪日しており、ルーラ大統領が招待されている七月の洞爺湖サミットに向け、着々と経済交流の気運が高まっているようだ。