ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 8社が63%を汚染=3元凶は石油精製、製鉄、非鉄

8社が63%を汚染=3元凶は石油精製、製鉄、非鉄

ニッケイ新聞 2008年4月29日付け

 サンパウロ州環境局は二十三日、サンパウロ州の空気が八社の炭酸ガスで六三%も汚染されていることを発表した。二〇〇六年にサンパウロ州の工業活動によって排出された二千九百万トンの炭酸ガス(二酸化炭素)のうち一千八百万トンは、八社によるものらしい。焼畑と車両の排気ガスによる炭酸ガスは、まだ未調査である。
 トップはクバトンのCosipa製鉄で六百三十五万トン。以下パウリニャのReplan石油精製所三百十二万トン、サンジョゼのRevap精製所百十万トン、クバトンのRPBC精製所百九十七万トン、サントアンドレのペトロキミカ・ウニオン百四十六万トン、アルミニオのカンパーニャ・ブラジレイラ百十五万トン、サルト・デ・ピラポーラのボトランチン・シメントス百四万トン、パウリニャのロージア百三万トンで実名の初公開。
 炭酸ガス排出の元凶は、製鉄と石油精製、非鉄金属の溶鉱らしい。業種別の炭酸ガス排出量を見ると、トップは石油精製の九百四十八万トン。続いて製鉄の七百三十七万トン、非鉄金属の六百五十九万トン、化学工業の三百十八万トン、パルプの百三十九万トンとなっている。
 排出される炭酸ガスの六〇%は、燃焼によるもの。四〇%は、プロセスの過程で排出される。サンパウロ州の大気汚染は、米国カリフォルニア州と状況が似ているとして比較される。
 米国では一九八〇年、大気が硫黄分で汚染された。対策を検討した結果、低価格で容易に硫黄分を削減する技術を開発した。今回も、炭酸ガスを低価格で削減する技術の開発に米国は挑戦している。