ニッケイ新聞 2008年4月29日付け
一九五九年四月に神戸港を出港した「さんとす丸」の在伯渡航者らが、同船者の消息を探している。同船者名簿をつくるためで、人数が集まり次第、今年の移民百周年と来年の渡航五十周年を記念して、同船者会を開く計画だ。
呼びかけているのは、発起人の岩尾洋さん(貿易会社経営)はじめ、同船者で彫刻家の土本真澄さん、画家の中野光雄さん(ニッケイ新聞社常任顧問)、元プロボクサーの熊谷泰志さん(製菓会社経営)ら四人。
同船者会が実現すれば、渡伯前の同船の乗船者らをモチーフに大写真展を開催した、旧三商(一橋大学・神戸大学・大阪市立大学)写真部員のOBらが、有志を募って来伯・参加する予定。
呼びかけは、昨年訪日した岩尾さんが、同写真展をコーディネートした高校時代の同級生である竹内淳一郎さん(神戸大学出身)と出会い、「私たちが写したブラジル移民の動向を知りたい」と相談されたのがきっかけ。
同写真展は、五九年十一月、神戸市内の三越デパートで「第八回旧三商大写真展」と題して開催された。
四人によると、さんとす丸の同船者は約五百人。五年、十年、十五年の節目に同船者会を開いたが、「それっきりになってしまった」という。来年に同船者会が復活できれば、実に三十五年ぶりとなる。
「五十年も経って亡くなってしまったり、日本に帰ってしまった人もいるだろうが、できるだけ多くの人に集まってもらいたい」と四人は呼びかけている。
連絡先は世話人の中野さん(電話11・3207・1965)、土本さん(同11・5012・1752)まで。