ニッケイ新聞 2008年5月1日付け
NGO(非政府団体)Imazonが二十九日、法令アマゾンの森林伐採が二〇〇八年第1四半期にマット・グロッソ州とパラー州で昨年同期比三倍の速さで進行中と訴えたことを三十日付けエスタード紙が報じた。連邦政府と州政府が森林伐採の抑制を表明してから、伐採は激増した。
マット・グロッソ州とパラー州では、チェーンソーがけたたましくうなっている。製材業者は、政府が対策を講じる前にできるだけ多くの木材を切り出す考えのようだ。地主への融資制限や連邦警察による実力行使を実施したが、余り効果はなかったらしい。
第1四半期は雨期に入るため、例年は伐採が減少する。しかし、二〇〇八年同期、マット・グロッソ州では昨年の四十九平方キロメートルに対し、百四十九平方キロメートルを伐採した。パラー州は昨年の二十八平方キロに対し、今年は六十五平方キロだ。
森林伐採の背後には、コモディティの高騰に伴う木材高騰が圧力となったのも原因らしい。大豆が値上がりすると、森林の伐採注文が殺到する。森林伐採によるエタノールの不買運動が、大豆にも影響を及ぼすと見て、生産者は作付けを急いでいるようだ。
大豆が森林伐採の元凶として白い眼で見られると、その跡地をオレンジ・ジュースが狙っている。大豆が牧畜を北伯へ追い払ったように、オレンジ・ジュースが大豆を追い払う心配がある。限られた時間を有効に利用し、儲けることだ。
伐採管理に宇宙衛星を使うようになってから、製材業者は衛星写真による鑑識が難しくなる伐採法に変え、監視を恐れなくなった。マット・グロッソ州の雨季は、雨雲が八〇%森林を覆うので伐採に都合がよい。パラー州でも同時期、雨雲が覆い、森林は見えない。