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養子縁組を一本化=全国規模の親子対面を企画

ニッケイ新聞 2008年5月1日付け

 国家法務審議会(CNJ)は二十九日、養子縁組の登録を一本化する計画を発表した。養子候補にある児童と縁組を希望する保護者が、同一データで面会する企画である。
 全国各州の法務局は、六カ月以内に幼児や少年に関するデータをCNJへ提出する。大統領府人権局はデータの照合を行い、養子縁組が遅延する問題点を分析する。
 これまでのデータに記載漏れとなっていた児童や保護者の発掘を行う。六カ月後には、ブラジル全国から希望するペルフィル(プロフィール)の養子を選ぶことができる。保護者個人が、探す必要はなくなる。
 金髪碧眼の乳児は、縁組希望が過剰である。これまでは、注文の乳児に遭遇するのに四年かかった。全国規模で調査を行うと、どんな条件にも合う養子や保護者は、多数いることが判明した。
 IPEA(応用経済研究所)のデータによれば、公共施設で生活する孤児は全国で八万人いる。そのうち一〇%の八千人が、養子縁組を待っている。
 外国人の養子縁組希望者も多数いるが、ブラジルには外国人希望者の状況や出自を知るシステムがない。外国には臓器販売のための悪質な養子縁組もあり、注意を要する。当局が関知せぬ間に外国へ幼児を連れ出す例もあり、CNJは同件を取締る考えだ。
 これまで不審な養子縁組を簡単に認めていた裁判所判事や犯罪行為に加担した司法関係者の取締りも行う。