ニッケイ新聞 2008年5月3日付け
愛知県人会(豊田瑠美会長)主催の「日本移民百周年記念浅井大美子コンサート」が、去る十六日午後三時から同県人会で行われた。平日の昼間にも関わらず、約二百人が訪れた。
最初に浅井さんが「今日は日本の懐かしい歌をたっぷり聴いてください」とあいさつ。舟橋ひろ江さん、松本朝香さん、西村涼子さん、ギター演奏者の加々見淳さん、サックス演奏者の塩川光二さんらが紹介された。
「小さい秋」「母さんの歌」「春の小川」「赤とんぼ」「千の風になって」「川の流れのように」などの曲を中心に琴、ギター、サックスで約一時間半に及ぶ演奏が行われ、来場者も口ずさみながら盛上げていった。
途中、ヴォサノバ・ギター奏者の加々見さんと塩川さんの二人が「アクアレラ・ド・ブラジル」を見事に演奏し、拍手喝采を受けた。
今回三度目の来伯の浅井さんは「演奏していて、参加者が涙ながらに喜んでくれていたのがわかった。(聴衆に)日本人としての心が残っていることが嬉しかった。その涙は本当に美しかった。来て良かった」と嬉しそうに話した。
西村クリスチーナ涼子さん(34、二世)は十七歳の時に日本に渡った後、二度目の里帰り。「特別な緊張をした。先生に推してもらって演奏を成功させることができた。終わった後はすがすがしい気分だった」と振り返り、「この曲を知っている人は思い出して、知らない人は知ってほしくてこの曲を選んだ」と笑みを浮かべた。
琴の音色が好きで、今回の演奏会を訪れていた有賀ユキコさん(63、二世)は「懐かしい曲が多くて全部良かった。一度見てみたいと思っていたから良かった」と興奮をかくしきれない様子だった。