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筝曲宮城会2度目の来伯公演=日本から指導者レベルの奏者35人=伝統的な音色で魅了

ニッケイ新聞 2008年5月6日付け

 筝曲宮城会のブラジル来伯公演が三日、四日の両日、サンパウロ市V・マリアナ区のSESCで行われ、日本の伝統的な美しい音色を味わおうと、会場を埋め尽くす多くの人が駆けつけた。
 移民百周年を記念しており、同会による公演は日本ブラジル修交百周年があった九五年以来、二度目。日本から指導者レベルの奏者三十五人が出演したほか、ブラジル筝曲宮城会(小倉祐子代表)の会員らも参加した。
 金屏風をバックに、色とりどりの艶やかな着物をまとった演奏者がずらっと並んだ。宮城道雄の代表作である「春の海」をはじめ、「さくら変奏曲」「越後獅子」、琉球民謡による組曲「尾上の松」、編曲「八千代獅子」の各曲が一時間半に渡り披露された。それぞれの演奏前には日ポ両語で解説があり、メモを熱心にとっているブラジル人来場者も見られた。
 演奏会後、来場者で音楽家のレネ・ボウデットさん(70・サンパウロ市在住)は「こんな独創的な旋律は初めて聴いた。ブラジルの若手音楽家たちにも聴いてもらいたい」と感動した様子で話した。また妻のルシアさん(65)は「女性がずらっと並ぶ演奏会を初めて観た」と驚いていた。
 両公演に出演したブラジル筝曲宮城会の長瀬令子さんは「両公演とも多くの人に喜んでももらえてよかった」と振り返っていた。
 宮城会は一九五一年に、宮城道雄の提唱により結成され、宮城筝曲の普及や日本音楽の継承・発展を目指して活動を続けており、海外でも数多くの演奏活動を行っている。