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スイス政府が抗議=非は法整備を怠るブラジルに

ニッケイ新聞 2008年5月7日付け

 スイス系銀行がブラジルでの不正送金や資金洗浄を間接的に幇助していると連邦警察が抗議したことでスイス政府は五日、スイスは単に銀行サービスを提供しているだけで、非はブラジル政府にあると反論してきた。
 連警はスイスの老舗UBS銀行とクレジット・スイスのブラジル支店役員四人を拘束した。スイス銀行協会が、ブラジル当局がいう脱税行為はブラジル税法が欠陥法であるためでスイス系銀行の責任ではないと訴えた。
 スイス系銀行は、警察ではないので顧客を咎めないと答えた。責任は、現実に即さない欠陥法を制定し、混乱を引き起こした政府当局者にある。スイスの法律では、ブラジルで何があろうと一度スイス銀行に入れば、犯罪ではなくなる。
 スイスでは国内総生産(GDP)の一六%は、銀行の手数料である。ブラジル人の目から見ると、スイス系銀行が動かす金額は桁外れに大きい。金銭感覚が、極端に異なる。
 スイス系銀行は、ブラジルでタレントの発掘を行い、大きな資金を動かす。銀行が芸能人の資金管理と国際的コーディネートを行い、内容は極秘。スイスはタックス・ヘイブンではない。そう思うのは勘違いだ。
 スイスは、現実に即した法整備のため改正はひんぱんに行う。スイスは、近代的金融国家といえる。アフリカやアジア、中南米の独裁者がスイスに資金を隠蔽し、世界の富の二八%がスイスに保管されていると誇る。