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観光省が350万レ支援=マベ日伯近代美術館=6月14日には一部公開=飯星下議「来年の予算にも」

ニッケイ新聞 2008年5月7日付け

 観光省がマベ美術館に大型支援――。マルタ・スプリシー観光大臣は、サンパウロ市リベルダーデ区にあるマナブ・マベ日伯近代美術館(旧カンポス・サーレス校を改築中)を五日午後に訪問、三百五十万レアルの支援を発表した。総工費一千万レアルのうち、すでに三百万レアルは寄付などにより集まっており、今回の支援によりほぼ七割を達成した。同事業を推進するマナブ・マベ協会(Instituto Manabu Mabe)の間部ユーゴ氏は、「父、間部学や日系芸術家の作品を展示できる美術館の完成という夢に大きく近づけた」とあいさつ、集まった約百人の関係者に感謝の意を述べた。六月十四日には、映像部門などの一部公開を目指している。
 〇九年末に完成を予定するマナブ・マベ日伯近代美術館の敷地は、約二千五百平米。日伯美術家の展示スペース、彫刻の庭、売店、美術図書館、技術保存室、再生センター、二百五十人収容の講堂が設備され、間部家所蔵の大竹富江、福島近、半田知雄(敬称略)ら、日系画家の作品数百点が展示される。
 第一期工事は、州政府や企業、コロニアからの浄財で総工費の約二割が集まった昨年二月から始まっており、今回の観光省の大型支援で一気にはずみがついた形となった。
 マルタ大臣は、「この事業を聞いたとき、反対する何の理由もなかった」と諸手を挙げての協力姿勢を示し、一過性のイベントと線引き、「サンパウロやリベルダーデに多くの旅行者を呼び込めるのでは」と観光資源としての役割にも期待した。
 企業などへの協力を呼びかけていくとしている残りの三百五十万レアルに関して、飯星ワルテル連邦下議は、「来年の予算に組み込むことを検討したい」と積極的な姿勢を見せた。
 故間部学氏の未亡人であるよしの夫人は満面の笑みを浮かべ、出席者らと喜びを分かち合っていた。