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原油が二百ドルへ=PB、岩塩下油田採掘に挑戦

ニッケイ新聞 2008年5月8日付け

 原油は二年以内にバレル当り二百ドルに達する見通しとゴールドマン・サックス投資銀行が六日、明らかにした。ニューヨークの原油先物市場は六日、ナイジェリアの供給頓挫とロシアの減産、五輪準備で大量消費をする中国の追加需要で百二十二ドルにつけた。
 燃油需要の執拗な伸びに供給が、ついて行けない状況である。六カ月後から二十四カ月にかけて石油は、二百ドルが現実化しそうな展開である。
 ペトロブラスのガブリエリ総裁は、原油二百ドルを背景にサントス沖で発見した岩塩下の石油採掘で、五十億ドルを年内に海外から調達する考えを表明した。交渉中であるが、ボーナスつき債券の発行になるという。
 同公団の債務水準は、最近の石油事情から資金需要も増え、高水準になる模様。同公団は、岩塩下の試掘だけで十億ドルをつぎ込んだ。同油田の原油は高価なものになるが、二年以内二百ドル説がささやかれる今、ちゅうちょできない。
 国外の原油相場が高騰する中ペトロブラスは、長期間に国内の燃油価格を据え置いたため運転資金で無理をしたらしい。油井の保全も遅れている。
 訪米中のガブリエリ総裁はヒューストンのオフショア会議に出席し、同公団がカリオッカ油田開発へ二〇一二年までに一千百二十七億ドルを投資する計画だと、同会議の成果を明かにした。
 OPEP(石油輸出国機構)はブラジルの大油田発見後、同公団に加入の可能性を打診をしてきた。ペトロブラスは今年第1四半期、原油高騰と消費増大により七億七千五百万ドルの赤字決算となった。