ニッケイ新聞 2008年5月8日付け
食品高騰は一時的現象と閣僚らが発言する中、ステファネス農相だけが食品インフレは長く続くと本当のことを言った。食品のグローバル・インフレは、農業革命でも起こらない限り、本質的に十年は続くという。
例外として値下げが予想されるのは、米と小麦だけ。インフレを抑制するには、基本金利の引き上げだけで解決できない道路やロジスチック、ブラジル・コスト、環境規制があると農相が述べた。
米と小麦は、各国が国家安全保障として栽培を国策としているので、必要分は確保している。しかし、余ることはない。それ以外は消費が年々増え、在庫は減っても増えることはない。慢性的不均衡が起きている。
米国のコーン・エタノールの生産は続行し、国際的批判を受けても米国が耳を貸すことはない。コーンが高騰すれば、大豆も高騰する。他のエタノール製造法が開発されるまで、米国は続ける。
コーンと大豆が高騰すれば、飼料高騰で牛肉と乳製品、鶏肉も値上げする。このパターンは、この先十年は変わらない。農業革命を期待するなら、アフリカしかない。そのためアフリカに農業のインフラが必要になる。