ニッケイ新聞 2008年5月9日付け
連邦警察のサンタテレーザ作戦で拘束されたウイルソン・B・コンザーニ軍警中佐は七日、BNDES(産業開発銀行)融資横領のボスは、労組のパウリニョ理事長ことパウロ・P・シウヴァ下議(PDT=民主労働党)だと供述した。
同中佐は当初、関与を否認していたが、既に連警捜査が深部に進んでいることを察知し、労組幹部やPDTへ事態の急迫を知らせた。連警の盗聴は、同中佐がパウリニョ理事長の義弟へ「ボスへ知らせろ」と通告したのをキャッチした。
同中佐がPDTのガスパル副党首に連警の手が回ったことを知らせる電話も傍受した。同中佐は、不正システムの中心的存在であると連警が睨んだようだ。その他の密告情報によれば、組織の活動に犯罪の専門的指導も行ったという。
連警は、同不正システムの中でPDTがどんな役割を演じたのか不審としている。システムの主犯とされるモウラ容疑者宅で、労組理事長の妻が関係するNGO(非政府団体)メウ・グリへの預金領収書を押収した。
連警は、同NGOが不正資金の隠し場所だと見ている。裁判所の許可を得て、同NGOの銀行明細開示を要求する。メウ・グリは、ストリート・チルドレン防止を目的とする福祉団体だが、慈善を装った犯罪組織の仮面という見方だ。