ニッケイ新聞 2008年5月10日付け
世界経済は、リセッションとインフレを交換したらしい。世界経済は成長率が低下したものの、最悪事態は避けたようだ。低調になったのはコモディティだけではない。来る六年は、物価高騰を覚悟すること。
ブラジルは高金利継続だが、国外は超低金利。溢れるクレジット、だぶつく通貨、圧倒する不労所得。インフレの代価である。バーゼルの中銀会議でも、世界を覆うインフレを警告した。
FRB(連邦準備制度理事会)のグリーンスパン前議長は、米国のリセッション可能性は八〇%といっていたが、今度は五〇%へ減った。米経済が第1、2四半期横ばいとなったことは、不況を脱したということではないか。
米経済は年末までスタッグフレーションを保ち、来年から持ち直すと前議長はいうのだ。米証券市場は嵐の後の静けさだ。一方、サンパウロ市証券取引所は、シャンペーンを抜かなかったが、記録更新の連続で活況を呈している。